
いつも読んでいただき、ありがとうございます。
今回は、学力が勝手に伸びて行く子と、勝手に伸びていく子に育てるポイントについて書きたいと思います。
つばめ進学個別を開業して3ヶ月、確信したキーワードは「責任感」です。
責任感。
責任感の強い子は学力がどんどん伸びます。
それこそ道具と方法さえ与えれば放っておいてもすごく伸びます。
そして伸びた学力を維持します。
たとえ下がってしまうことがあっても、戻せます。
CHAPTER-1
責任感が学力伸長にどう作用するのか?
原理は簡単です。
この「責任感」によって、伸びるシステムが構築されるため、あとはオートマチックに自らを向上させていくことになるのです。
責任感が強い子は、自分の行動や結果に対して責任を持つことを重視し、失敗を他人のせいにせず、自らの努力や工夫で問題を解決しようとします。
【 自己評価と改善 】
テストや宿題の結果を冷静に受け止めて、自分の弱点を見つけ出します。
そしてその弱点を克服するために、具体的な努力を重ねることができます。
このプロセスは自己改善のサイクルを形成し、学力向上を促進していきます。
【 継続的な努力 】
責任感が強い子は目標を設定し、その達成のための計画を立てることが得意です。
責任感によって継続的な努力が推進されます。
【 問題解決能力の向上 】
自分の行動に責任を持つ姿勢は、問題解決能力の向上にも寄与します。
未知の問題に直面したとき、自分で解決方法を探し出す力が養われ、これが学習の質をどんどん高めることになります。
責任感の高い子の特徴と能力をまとめます。
・高い目標を設定し、達成に向けて努力する
・困難に直面しても諦めずに挑戦する
・自分の学びに対して主体的に取り組む
・失敗から学び、成長につなげる
・問題解決能力
・意思決定能力
・タイムマネジメント能力
もちろんこれらの能力は、社会に出てからも様々な場面で役立つこととなります。
こういう生徒との特長的なやり取りを例にあげておきます。
(ヒントを出そうとするのをさえぎって)
「ちょ、先生!まだ言わんといて!もうちょっと考えるし黙っといて!」
「いや、言い方な…(゚―゚;) しかしナイス心意気や。」
(無視して解き続けられる)
「ぎゃぁああ!!くそぉおお!!」
「まぁそうイラつくな。問題に腹を立ててたら余計に頭回らへんぞ?」
「ちゃいますよ、解けない自分にイラつくんですよ!」
「あ、そっちー!?」
「先生。もうちょい宿題出してください。」
「え、マジで言うてる!?」
「ぁはい。…え?なんすか?」
「いえ、なんもないっす。」
「先生。もし自分で読んで理解できたら、勝手に進めてきていいですか?」
「習うより自分で学んだ方が早いって言い出したらもうホンモノやな!」
「でしょ!フッフーン。」
「この失敗を一生忘れません。」(目が血走っている)
「う、うん。悔しがるのはいいことよ。」
「そんな軽いもんじゃありませんよ!!」(目を見開いている!)
「ハイ。すんません。(こわ…。)」
「先生。次なにしたらいいですか?」
「んー、そやなぁ、それがもうできてるんやったら…。」
「あ、じゃあこれとこれやっといていいですか?」
「いいけど、なんでそれなん?それももう解けるやろ?」
「たぶん大丈夫とは思うんですけど、若干不安が残ってるので、先にその不安を解消してから次のをやりたいんで。すぐ終わらせます。」
「なるほど。ほなそうしよ!」
「はいっ。」
CHAPTER-2
保護者の役割?
もうおわかりでしょうか?
生まれながらにして責任感が強い子、またはどこかで責任感に目覚めた子は、適切な環境に置いてあげさえすれば、あとは勝手にやって伸びて行ってくれるのです。
親としてすべきことは、食事・体調管理と環境の用意にかかる費用の支出くらいであって、大してガミガミ言って聞かせることもない「手のかからない子」でいてくれます。
指導者としても、適切な方法論と教材やツールを与え、たまの質問に答えるだけで、あとは本人に任せておくのが一番良いということになります。
横槍は入れない方がいい状態です。
キャッチ―なフレーズとして知られる「やる気スイッチ」とはまさに、この「責任感」のことだと思いました。
すごくできる子たち、すごくやる気に満ち溢れて伸びている子たちの保護者様に、何度となく聞いてきました。「どう教育されたらあんなに前向きに頑張る子になるんですか?」と。
ご返答のほとんどが「それが…、特に何も意識してないんですよね…(;’∀’)アハハ」でした。
もちろんこう思いました。
(このお母さんもか…。秘訣を隠していらっしゃる…!!)と笑
でもこれは嘘ではないとわかりました。
なぜなら、本当に「本人の責任感で勝手にやっているから」なのです!
「親としても、なんであんなに必死なんかなって。たまに『こわっ』って思いますわ。」なんておっしゃる方もいらっしゃって、笑ってしまいました。
ということで、もし保護者が施したしつけ教育に何か秘訣があるとすれば、子育ての数々の場面において、この「責任感」を上手に育まれたところにあるではないかと推察します。
CHAPTER-3
責任感が無いとどうなる?
では、責任感が足りない子によく見られる言動について考えたいと思います。
必然的に、先ほどの例とはほとんどが逆になります。
決して悪口を言う気はないので、客観的に読んでください。
・目標を決めない、または目標が低すぎる
・困難に直面するとすぐに諦めてしまう
・教師や親に頼りがちで、自分で考えようとしない
・失敗を恐れて、挑戦することを避ける
・指示待ちの傾向
・責任を逃れる
・周囲に甘える
こういう生徒との典型的なやり取りを例にあげておきます。
(かなり早い段階で)
「わかりませ~ん。教えてー♪」
「もうちょっと自分で考えよっか。」
「えー。じゃあヒントちょうだい!」
「まだ早いわ笑 今から5分だけ粘って考えてみ。それでアカンかったらヒントあげる。」
「えーイヤや。難し過ぎるもん。てかトイレ行ってくる!」
「さっき行ったとこやん。」
「はぁ…。まだ30分もあるやん…。もう帰りたい。」
「あーもうわかった!じゃあヒントな。」
「お、イェーイ♪」
学生時代に個別指導のアルバイト講師をしましたが、このようにとても愛想がよくてコミュニケーション能力の高い生徒に、何度この手を使われたか数えきれません。
そしてこの調子でどんどん交渉され、最終的にまんまと代行させられ、その子は「なぁるほどねぇん!そういうことか~♪」とノリの良いリアクションをしながら答えを書いて、満面の笑みでグルっと丸をつけます。
これは一見、教えることに成功したように思えますが、これは本人が難しいと感じること、つまり問題文を論理的に解釈することや、図式化して視覚的に検討すること、そこから見えるものを考慮して答えにたどり着くための道筋を見出すことなど、これらすべてのプロセスを外部に委託することで、文字通り「代行」させることに成功しているだけです。
このような子は、その場を切り抜ける技術にとても長けているがために、せっかく長い間塾に通っているのに成績が一向に伸びないということも起こり得ます。
CHAPTER-4
責任感がなくても幸せに生きられる?
このような、他力本願で甘え上手な子どもたちは、学力の面では必ずしも優れているわけではなくても、別の意味で非常に有利なスキルを持っていると言えます。
社会生活を生き抜くには非常に強力な能力です。
【 社交性と協力 】
甘え上手な子は、他人との関係を築くのが得意です。困ったときに助けを求めることができ、これが人間関係の構築に役立ちます。強力なサポートネットワークを持つことで、さまざまな困難を乗り越えやすくなります。
【 ストレス管理 】
責任感が強い子と比べて、他力本願な子はストレスを上手く受け流すようにコントロールすることが上手です。これにより精神的な負担を軽減し、結果としてメンタルの安定が維持されやすくなり、動じない強さ、ひいては生き抜く力が強化されます。
【 適応力 】
甘え上手な子は、環境の変化に柔軟に適応する能力を持っています。新しい環境に飛び込んだり、初対面の人に対しても人見知りせず気さくにコミュニケーションを取ることができ、早い段階で馴染んでいくことができます。このように、学力の獲得には不向きでも、社会生活を営む上で常に充実しているように見え、いつも幸福度が高い状態にあると言っても過言ではないでしょう。
また、学力獲得の修練の場においては責任感を発揮しようとしなくても、職場などでの振る舞いにおいてはこれを発揮し、面倒くさいことを率先して引き受けたり、人が嫌がる仕事に自らすすんで取り組んだりすることができ、周囲に認められやすいという面もあります。
ですから、それはそれで「あぁ、この子は将来安泰だなぁ。」と安心感をもって見ていられます。
こう考えると、最終的には責任感と他力本願の両方のバランスが取れた子が最も多方面で成功する可能性が高いのではないかと思えます。
CHAPTER-5
それぞれに必要な教育とは?
教育の現場では、この両方の特性をバランスよく育むことが重要だと考えています。
まだ成長の途上にあって人生経験が少ない小学生・中学生の間は、この両極がとてもアンバランスな状態にあって偏っているからです。
責任感が強く自分で伸びて行くことができる子には、方法論とツールと環境を与えて思う存分、学力を伸ばしてもらいつつ、ストイックになり過ぎることによる言葉のトゲや他人を思いやる気持ちの不足、またプレッシャーを感じやすくイライラしがちな自分の感情を上手に制御して冷静でいられるスキルなどが身につくようにサポートするのがよいでしょう。
そしてその逆の特性を持つ子には、問題の解き方を何度でも教えることや暗記確認テストの実施などでたくさんの世話をやきつつ、特に苦手とする学力獲得の修練の場においても責任感をもって臨めるように、そして考えることをあきらめない精神が身につくように、優しく、時に厳しく接しながら上手にコーチングしていくことが求められると思います。
「学力伸長」という、ごく限られたカテゴリ内で語る場合、前者の子は、悪徳な指導者のもとや劣悪な環境に置かれない限り、どこで誰に習ってもしっかり学力を伸ばしていくことができます。好きで得意でいられることをどんどんやっていくだけだからです。
難しいのは後者の子たちです。
この子たちにとって、勉強の場というのは嫌いで苦手なことを一生懸命に取り組むことを求められる場であるからです。
後者の子たちには、適切でキメ細やかな配慮やメンタルトレーニングが必要となり、また個別に丁寧な指導を受ける必要があります。
このために、つばめ進学個別で実践していることの例をいくつか書いておきます。
・子どもに責任のある立場を与える(まさに問題を解くときの姿勢づくり)
・子どもの努力を認め、ほめる(評価を形にして伝える機会づくり)
・失敗を恐れない環境をつくる(肯定的かつ繊細な声かけ)
・自分で考え、行動することを促す(忍耐力を鍛えるやり取り)
責任感は、一朝一夕で育むことはできません。
しかし、日々の積み重ねによって、必ず身につけることができます。
子どもたちの彩りある将来のために、責任感を育むためのサポートをしていきましょう。
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